Tokyo CT Technology Seminar

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[TCTT主催講義] RSNA2010学会報告およびGECT最新技術紹介

【日  時】 平成23年1月25日(火)19時 00分〜 20時00分

【場  所】 慶應義塾大学病院 MR棟2F
       〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
 
【講  師】 GE Healthcare Japan
        CTセールス&マーケティング部 
        仲野 孝一 様


文責  慶應義塾大学病院 三浦 茂樹

 2011年1月25日(火)慶應義塾大学病院にて今年第1回目のTCTTイベントが開催されました。今回はGE Healthcare Japanの仲野 孝一さんをお招きし、RSNA2010をテーマに学会報告と、最新技術について講演頂きました。
 冒頭では参加人数や演題内容、諸外国の傾向などを交えながら、RSNA2010の概要から報告して頂きました。参加人数が例年より少ないそうですが、それでも約6万人という規模には驚きます。報告にはアジア主要3カ国の近年の動向が含まれており、3カ国の口述発表数が今回初めて北米の総数の過半数を上回ったという事で、各国の目覚しい成長や関心度が窺えました。特に中国のマンパワーや韓国の競争心は、今後の学術体系に大きな影響力を持ちそうですし、日本も先進技術の発信源として、今後は競争や協力という良い化学反応が起これば面白いかなと感じました。
 RSNA2010でのCTの傾向として、昨年から注目されてきている逐次近似法に関するものが増加してきたそうです。今回はDual Energyや多列検出器等の装置的な内容よりも、画質向上や被ばく低減技術に関する内容に関心が高かったようです。
最近アメリカから大規模調査による低線量検診CTの有用性が発表されました。
 一方で放射線検査による被ばくについても、発癌リスクの再掲、アナウンスや、放射線使用について最適化も求められてきています。そういった傾向を鑑みても、今回低線量撮影に関心が集まるのは、医療技術の進歩だけでなく、被ばくに対する意識も高まってきている現況を反映していると感じられます。
 後半からは、RSNAでのトピックスでもあった逐次近似的手法を用いた画像再構成法について、その新しい技術の紹介と原理の解説をして頂きました。
 今回のメインはMBIR(製品としてはVeo称だそうです)でした。この新しい手法では、先駆けとなったASiRの性能に加え、更に空間分解能や密度分解能の向上が図られているそうです。実際に画像を拝見すると、従来の逐次近似的画像再構成法で特有のマトリクス様の質感が改善され、低ノイズかつ鮮明な画像という印象を受けました。従来のASiRは通常のFBP(Filtered Back Projection)に対して、統計的ノイズモデルを利用した逐次近似的再構成を合わせるというものでした。
 新しいMBIRでは更に幾何学的モデル、光学的モデルといった要素が付加され、より複雑なアルゴリズムへ進んでいました。計算量が多いとの事ですが、少ない撮影線量(光子数)であっても、信号の仕分けや、樟の挙動等、高精度のモデルが得られ、各ボクセルのCT値を逐次近似計算で求める事が可能になるそうです。実際、低線量撮影の画像とMBIR使用後を比較すると、単純にノイズ低減という画像ではありませんでした。今までは症例に応じて、画像Filterや再構成関数を選択していましたが、このMBIRが実装されれば、今後はそれらの概念が無くなるというのも驚きでした。
最近は逐次近似法のお話を耳にする機会が増えました。数学や物理は私も苦手ですが、今後はより難しい原理や概念が臨床に応用されてくると考えられます。現場にいる私達も、一層努力が必要になると痛感しています。
 最後の質疑ですが、MBIRのような再構成技術が日常使用出来るようになれば、X線管の低容量化や、小型化に伴う高速回転が可能ではないかとの御意見がありました。今回はGE社のお話をして頂きましたが、他社についても素晴らしい技術や装置を開発しています。各社独自の方向性を持っていて大変興味深いです。
全体として、今後も新しい技術が新しい発想を呼び、CTが次世代に進歩するのも遠くないと予感出来る内容でした。また、私達自身も新しい技術が出来た時、積極的に検証し発表していく習慣を持つ事も重要だと思いました。
 今回年始の多忙な時期ではありましたが、講義室にたくさんの参加があり、トレンドを把握しようという皆さんの姿勢が伺えました。
最後に、講義をして頂いた仲野さん、セミナーを主催して頂いたTCTTの世話人の方々に深く感謝いたします。ありがとうございました。


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